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strategy / 2026-01-30

THE LEGACY 7:10年以上使い続けている装備たち

流行り廃りを超えて、肌の一部になったギアの全記録

THE LEGACY 7:10年以上使い続けている装備たち

十年という時間は、人をすっかり変えてしまう。 二十代で圧倒されたグランドキャニオン。三十代、雨に降り込められたヨーロッパ。そして四十代、家族と並んで歩く旅。体力の衰えも、旅のかたちも、抱える悩みの種類も変わっていった。それでも、変わらずそばにあった道具がある。

アウトドアの技術革新は容赦がない。毎シーズン記録が塗り替えられる世界で、十年を生き延びるギアは驚くほど少ない。ここに並べる七つは、最新鋭の数字を誇るわけではない。ただ、いくつもの失敗や成功をくぐり抜けてきた末に、手元に残った確かなものだ。


1. Patagonia R2 Jacket

15年選手。旅人の正装。 このサイトが生まれるきっかけになった一着。現行のラインナップからは消えた、毛足の長いボアフリース(Thermal Pro)と、蒸れを逃がすPower Stretchの組み合わせ。家ではパジャマ、雪山ではインナー、旅先では簡易アウター。脱ぐ理由を見つけるほうが難しい、生活の基底レイヤーだ。

2. macpac Weka 24

10年選手。小さな要塞。 素材はアズテック。キャンバス地の一種だ。ナイロンのように加水分解でべたつくこともなければ、使い込むほどデニムに似た風合いが深まる。レインカバーなしで雨に立ち向かえる堅牢さは、移動の多い旅で何にも替えがたい安心になる。

3. Montbell Geoline L.W.

15年選手。透明なインフラ。 ベースレイヤーという考え方そのものを教えてくれた一枚。銀イオンの防臭力は驚異的で、一度この速乾性を知ると綿の肌着にはもう戻れない。十五年間、肌に最も近い場所にはいつもモンベルのロゴがあった。

4. THE NORTH FACE Climb Light Jacket

10年選手。全天候型の盾。 初期のGORE-TEX Pro Shellを搭載したモデル。最近の軽量路線にあるしなやかさとは無縁だが、そのぶん叩きつけるような雨への防御力が違う。どれほど天気が荒れても、このシェルの内側には静けさが残っている。

5. Montbell Storm Cruiser Pants

10年選手。機動力の根源。 レインパンツをスキーウェアの代わりに使う。この合理性に目を開かせてくれた名品だ。Pro Shellの頑丈さと、パッキングの邪魔をしない軽さ。吹雪のゲレンデから雨の街歩きまでを、この一本でやり過ごす。

6. Patagonia Nano Puff

10年選手。家族旅行の防衛線。 濡れても暖かいという化繊インサレーションの強み。ダウンのようなデリケートさがないからこそ、子どもを抱きかかえて雪遊びをして、そのまま洗濯機に放り込める。守るべき人が増えた今の自分にとって、もっとも信用できる防寒着だ。

7. Uniqlo Ultra Light Down

10年選手。最後の砦。 結局これがいちばん温かい——そう思うことがある。最新のアウトドアウェアは通気性に優れるあまり、足を止めたアラフォーの身体にはやや堪える場合がある。動かない旅の待ち時間に、最後に頼るのは日本が生み出したこのインフラだ。静かで絶対的な温もりが、身体を包んでくれる。


この七つは、十年前の自分が散々悩み、選び取った結論だった。今、それらの信頼できるレガシーに最新のテクノロジーを組み合わせながら、四十代からの世界一周を企てている。

道具は、手に入れた瞬間に完成するわけではない。一緒に歩き、ボロボロになり、それでも手放せないと感じたとき、物はようやく相棒になるのだと思う。